腰痛施術 【症例報告】
腰痛・ぎっくり腰
腰痛の施術内容
前回のコラム「腰痛の原因について」はチェックしてもらえたでしょうか?
まだの方は、今回の「腰痛施術」にも非常に有益な内容となっていますので目を通してみてください。
▶コラム「腰痛の原因について」はこちら
おさらいになりますが、腰痛診療ガイドライン2019(日本整形外科学会/日本腰痛学会)では非特異的腰痛を含む原因の腰痛が全体の68%を占めていると定義されています。
フルケア鍼灸整骨院では、この「非特異的腰痛」をはじめ、「椎間関節」「筋・筋膜」「仙腸関節」に原因のある腰痛に対し、徒手療法での施術介入が可能であり改善の余地があると考えています。
では、実際の症例と施術内容をみていきましょう。
症例報告
症例:40代男性
症状:前日の朝、寝起きから1時間後に足元の物を取ろうと立位で前屈みになり発症。その後、身動きはとれるものの前屈および伸展時の疼痛が継続。腰痛が気になり、自身で何度も確認。来院当日の朝には腰痛が悪化。
既往歴:頚椎ヘルニア、ぎっくり腰
生活歴:喫煙歴なし、飲酒は週に1~2回、1日8時間の座り仕事、2週に1度はハイキング
当院に来院された際、歩行動作に異常はなく椅子から立ち上がる時の痛み、立位での前屈痛、座位立位ともに伸展時(後屈)の痛みがありました。患者様本人の感覚として、ぎっくり腰に近い、このままでは身動きが取れなくなる、明日の朝には起き上がれない、明日の仕事への影響が出るといった強い不安もありました。
カウンセリングと検査の結果、「筋・筋膜」に原因がある筋筋膜性腰痛を示唆していました。
同時に後屈痛、立ち上がり時の運動開始時痛の理由、筋筋膜性腰痛との関連がみれました。
簡潔に説明していきます。
まず、皮膚の下や筋肉には筋膜が張り巡らされています。腰痛の場合、胸腰筋膜が関係しています。この胸腰筋膜は、お尻にある大殿筋、背中にある広背筋と連結しています。さらにその奥には脊柱起立筋、内腹斜筋、腹横筋とも連結してきます。インナーマッスルと呼ばれる筋群ですね。
筋膜とは、本来様々な方向に伸びるものですが、特定の筋肉の緊張や損傷により動きが悪くなってしまう場合があります。1つの場所の動きが悪化すると、周囲または他の部位にも影響を及ぼし引っ張り合いが起きてしまいます。筋膜は全身に張り巡らされているので、上肢や下肢など患者様が予想もしていなかった部位にまで原因が波及しているケースも多く見受けられます。そして、筋肉よりも痛みに対するセンサーが多いのも筋膜の特徴です。
今回のケースでは、炎症反応はなく、前屈痛と後屈痛とで原因が異なるものの関連する腰痛でした。また立ち上がる際の運動開始時痛もありましたので、それぞれにカウンセリングと検査をおこないました。併せて立位時の姿勢写真、座位時の姿勢写真を撮影、立ち上がり時の動作を動画で確認しました。
結果、今回の腰痛は筋膜の繋がりが原因で負担の多い部位の過剰な緊張、そして代償運動(本来の働きではなく他の部位をかばって動いてしまう)がおこなわれ弱化している筋肉による腰痛が原因であることが分かりました。
筋膜の連結で動きの悪い部位をリリース、マッサージにて癒着と筋緊張緩和を施しました。主に血流改善、身体の反射を用いた疼痛コントロールの手法です。また必要な部位のみストレッチと運動療法を施し症状の戻りを防止しました。
2日後に再来院していただき確認したところ、全ての腰痛動作はクリアでした。翌日の仕事も問題なく過ごすことができたとのことでした。
カウンセリング、検査からの原因の見立てが施術結果につながったケースです。
他にも腰痛をはじめ様々な症例報告ができた良いなと思っています。次回も楽しみにしていてください。
著者 Writer
- 院長:廣瀬 翔(ヒロセ ショウ)
- 所有資格:柔道整復師、鍼灸師
生年月日:1986年 6月 19日
出身:神奈川県
趣味:勉強、草花を育てる、nanoblock
得意な施術:筋骨格系に関わる全ての施術、筋膜リリース、運動療法、ハイボルト療法
ご来院されるお客さまへ一言:
施術には段階というものがあります。
急性期などの痛みの緩和、生活に支障はないけど時々痛む、パフォーマンスアップや健康増進、必要な施術を必要な時に行うことが大事です。
単純に良くなったではなく、なぜ痛みが出るのか、どうすれば戻らないのか、解剖生理学を基にしっかりと説明いたします。
人生健康に過ごせるよう痛みの緩和から健康増進まで一緒に目標達成しましょう!
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